ご挨拶

ツキシマ
こんにちは、ツキシマです。
今回は、購入して6年くらいになるノイマンのコンデンサーマイク「TLM107」のレビューをしていきたいと思います。

目次は、「パッケージと内容物、マイク本体の確認と仕様、TLMの意味、マイク録音比較、さいごに」です。


ツキシマ
まずは箱やサスペンションホルダー等の、内容物を見ていきたいと思います。
パッケージと内容物
TLM107
「NEUMANN TLM107」の箱です。

外箱は紙のパッケージで、中には木箱が入っています。

紙のパッケージと木箱はぴったりサイズなので、何回も出し入れしていると、木箱の金具で紙のパッケージが痛んでしまいます。私は普段、マイク本体のみを防湿庫に収納し、パッケージと木箱は押し入れに仕舞っています。

木箱オープン。

木箱の中には「マイク本体」と「マイクホルダー」があり、他に「取扱説明書」と「ワランティーカード(オーナーズカード)」が付属します。

最近購入したU87Aiには、このカードは付属していませんでした(下画像参照)。もしかしたら廃止されてしまったのかもしれません。

- マイク本体
- マイクホルダー(SG2)
- 取扱説明書
- オーナーズカード
サスペンションホルダー(EA1)
付属のマイクホルダー「GS2」だとクッション性が無いので、私はNEUMANN純正のサスペンションホルダーも別に購入しました。

ホームページ等では「EA4」というモデルのサスペンションホルダーが、「TLM107」とよく写っています。(下画像)

しかし私は「EA1」というモデルを使用しています。NEUMANNの純正ホルダーの価格は高いので、マイク購入当時に中古品で見つけました。「EA1」も立派にノイマン純正品で「TLM107」にも対応しています。

ということで、サスペンションホルダー(EA1)の箱です。

こちらが「EA1」というサスペンションホルダーです。

U87のサスペンションホルダーと共用出来たら良いなと思ったのですが、マイク底面のネジ部分の形状が違います。それぞれホルダーを用意する必要があります。
↓U87Ai

U87Aiレビュー記事↓

ツキシマ
次は、マイク本体と仕様を見ていきたいと思います。

マイク本体の確認と仕様
サイズと重さ
項目 | データ |
---|---|
高さ | 145mm |
直径 | 64mm |
重さ | 445g |

マイク本体はずっしりと重く、密度感がある感じです。

エンブレムの違い
本体正面には、NEUMANNの赤いエンブレムが付いています。TLMシリーズは赤いエンブレムになります。

U87Aiは、青いエンブレムです。


マイク裏面のナビゲーションスイッチ
「TLM107」の裏面には、このマイクの1番の特徴でもある「ナビゲーションスイッチ」というボタンがあります。

オーディオインターフェイスに接続してファンタム電源を入れると、下の画像のようにナビゲーションスイッチ周りのランプが点灯して使用できる状態になります。

このランプは15秒経つと消えます。ランプが消えた状態の場合、スイッチを押し込むとランプが点灯して選択した状態を確認する事が出来ます。


ツキシマ
次は、ナビゲーションボタンで操作できる項目を見ていきたいと思います。
指向性の選択
ナビゲーションスイッチを上下に動かす事で、「指向性」を選択できます。

- 無指向性
- ワイド カーディオイド(広い単一指向性)
- カーディオイド(単一指向性)
- ハイパーカーディオイド(狭い単一指向性)
- 双指向性
入力感度の選択
ナビゲーションスイッチを左に動かすと、「入力感度」を調節できます。

- 0dB
- -6dB
- -12dB
ハイパスフィルターの選択
ナビゲーションスイッチを右に動かすと、「ハイパスフィルター」を3種類から選択できます。

- LIN(デフォルト。30Hzくらいから下をカット)
- 40Hz
- 100Hz
その他の主な仕様
- 周波数範囲:20 Hz~20 kHz
- 最大SPL:141dB SPL
- SN比:72dB

ツキシマ
次は、TLMの意味について見ていきたいと思います。
TLMの意味
TLMとは
マイクの型番に付いているTLMというのは、「トランスレスマイクロホン」の略です。そのため「TLM107」はトランスの入っていないマイクという事になります。

ちなみに同じノイマンの定番マイク「U87Ai」は、トランスが内蔵されているマイクです。

トランスは、簡単に言えば電気の増幅回路です。これを内蔵しているという事は、マイクの中にプリアンプが入っているようなイメージです。カプセルに入ってきた微弱な電気信号をすぐに増幅する事によって、安定的なサウンドが得られるという事になります。

マイクの入力感度
ちなみに、オーディオインターフェイスの入力ゲインを同じ値にして「TLM107」と「U87Ai」の音を録音してみると、録音結果はだいぶ音量差があります。

「U87Ai」はだいぶ大きく、「TLM107」は小さいです。

トランスのメリットとデメリット
- 安定的なサウンドが得られる
- コストが上がりマイクが高価になる
マイクの好み
マイクは、「トランスがある方が絶対に良い」という事ではありません。録音された音の好みは人それぞれです。トランスレスのマイクの音の方が好みという場合もあり、正解は無いものだと私は思っています。
もし録音される音が小さいことが気になる場合は、入力ゲインを上げたりコンプレッサーで処理すれば問題はないです。

↓コンプレッサー↓


ツキシマ
次は、マイクの録音比較をしてみましたので聴いてみて下さい。
マイク録音比較
録音比較の概要
今回の録音比較で使用するマイクは以下の通りです。
- NEUMANN TLM107
- NEUMANN U87Ai
- AKG C214

録音比較の音声は音量調節のみでエフェクト処理は無しで撮って出しです。
また今回の動画の音声は、全てダイナミックマイクの「58」で録音しています。「58」はコンデンサーマイクに比べてホワイトノイズが多いので、録音後にDAWでノイズ除去、イコライザー、コンプ処理をした音です。「58」で収録された音声も是非参考にしてみて下さい。

動画でチェック
チャプター「07:17 マイク録音比較」にて、マイクの音を比較検証できます。
- 声(男性)
- 声(女性)
- アコースティックギター(ストローク・アルペジオ)
声(男性)



声(女性)



アコースティックギター(ストローク、アルペジオ)




ツキシマ
次は、さいごのまとめです。
さいごに
TLMの意味のところでもお話ししましたが、トランスがあるから良いとも言い切れません。私はこのマイクを6年くらい使用してきて音に慣れているということもあるかもしれませんが、「TLM107」で録音した音は結構好きです。

そもそもマイクというツールはたくさんのメーカーが販売し、たくさんの種類があります。きっとその中にはもっと気に入るマイクがあるのではと思うと、いろいろ試してみたくなります。ただ今のところは手元にある「U87Ai」と「TLM107」と「C214」を使い分けて、録音自体を楽しみたいと思っています。


ツキシマ
それでは、最後までご視聴ありがとうございました。

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