ご挨拶
こんにちは、ツキシマです。
今回は、「Waves Vシリーズ」に含まれるバスコンプレッサーの「V-Comp」をレビューしていきたいと思います。
また、前回レビューした「SSLバスコンプレッサー」との比較も行ってみたいと思います。
レビュー記事↓
動画の目次です。
V-Compの概要、各パラメーターと使い方、音源に掛けてみる、SSLバスコンプレッサーと比較、最後にまとめと次回予告です。
それでは、V-Compの概要からみていきたいと思います
V-Compの概要
「V-Comp」は「NEVE」のビンテージコンプレッサーの「2254」をモデリングしたプラグインです。
主な機能は、「バスコンプレッサー」と「リミッター」です。
また、「ディエッサー」の機能も備えています。
主な使い所はマスタートラック(バストラック)で、全体の統一感やアナログ感を出すことが出来ます。
動作の特徴としては「FETタイプ」に分類され、有名な「Universal Audio」の「1176」と同じように、レスポンスが速く、キレのある掛かりかたをするコンプレッサーです。
次は、各パラメーターと使い方についてみていきたいと思います。
各パラメーターと使い方
「V-Comp」は、3つのセクションに分かれています。
メーターのある「上部セクション」と「コンプレッサー」と「リミッター」です。
各セクション毎にみていきます。
上部セクション
METER
「METER」のツマミを操作することで中央にあるメーターを「IN・ GR・ OUT」に切り替えて表示させることが出来ます。
INPUT
「V-Comp」はスレッショルド値が固定のコンプレッサーですので、この「INPUT」ツマミを調節して圧縮具合を設定します。
使うときは「INPUT」レベルを少しずつ下げていきます。
圧縮が始まりましたらゲインリダクションメーターで圧縮量を確認してツマミの数値を決めます。
OUTPUT
「V-Comp」は、圧縮をするために入力音量を下げますので、この「OUTPUT」ツマミを上げて音量を戻してあげるカタチになります。
ANALOG
倍音歪みやノイズを付加するときに使用します。
必要が無いときはオフにします。
「25%・50%・100%」とノイズ量を選択できます。
「100%」にするとかなりノイズが入ります。
他の「SSLプラグイン」などと比較してみると、「25%」くらいが丁度良いノイズ量だと思います。
COMPRESS
ON/OFFスイッチ
コンプレッサーのオンオフを切り替えます。
RATIO
圧縮する比率を決めます。
グラフで表示すると下図のような感じです。
RELEASE
リリースタイムを選択します。
この「V-Comp」はアタックタイムの設定は無いです。
アタックやリリースタイムにつきましては、以前に動画やブログにしていますので詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
ブログ記事↓
DeESSER
ディエッサーのオンオフを決めるスイッチです。
ディエッサーは高い周波数帯の耳障りな音を抑える機能です。
ただ、どのような設定で動いているのかよくわからないので、私は使用したことがありません。
ディエッサーが必要なときは、専門のプラグインを使用した方が良いと思います。
ブログ記事↓
また、説明書には「ディエッサーに切り替えます」と記載されていますので、オンにした場合もしかしたら、「低域・中域」にコンプレッサーが掛からない場合があるかもしれません。
LIMITER
ON/OFFスイッチ
リミッターのオンオフを切り替えます。
LIMIT LEVEL
リミッターのスレッショルド値を調節するツマミです。
1つ注意が必要なことは、V-Compは「dB」が「dBu」表示です。
ATTACK
アタックタイムを決めます。
「FAST・SLOW」の2種類から選択します。
RELEASE
リリースタイムを選択します。
次は、実際に音源にかけて効果を確かめてみたいと思います。
音源に掛けてみる
動画内チャプター「04:09 音源に掛けてみる」内の「04:37」付近より、ドラムバスとマスタートラックにて、バイパスの音とバスコンプを掛けた音の視聴が可能です。
実際の音が気になる方は動画をご覧ください。
今回はリミッターとディエッサーについては割愛して、コンプレッサー機能のみの比較検証です。
ドラムバス
コンプ・EQ処理して少し歪ませたドラムバスの音です。
バイパスの音、次にバスコンプを掛けた音を再生します。
結果の考察
圧縮量が「2dB」程ですので、はっきりとした違いを感じとることは難しいですが、バスコンプを掛けた方は、アタック感と粘りが追加された印象です。
アナライズのグラフを見てみると、ピークを抑えつつ全体的にバランス良く持ち上げられています。
マスタートラック
マスタートラックの最初に「V-Comp」を挿入しました。
まとまり感とアナログ感を出すのが目的ですので、圧縮量は「1~2dB」程で、薄くかかる設定にしています。
再生する順番は、最初にバイパスの音、次にバスコンプを掛けた音を再生します。
結果の考察
やはりアナログ感が出て、まとまりが良くなったように感じます。
アナライズのグラフを見てみると、「2.1kHz」と「450Hz」付近が強調されています。
次は、SSLバスコンプレッサーと比較をしてみたいと思います。
SSLバスコンプレッサーと比較
動画内チャプター「06:50 SSLバスコンプレッサーと比較」内の「08:51」付近より視聴が可能です。
キック
キック単体のトラックで比較検証をしてみたいと思います。
バスコンプレッサーは、普通のコンプと同じように使用できるのかみていきます。
設定値は画面を参照してください。
「6dB」くらい圧縮する設定です。
再生する順番は「バイパスの音」「V-Compを掛けた音」「SSLバスコンプを掛けた音」の順番に再生します。
結果の考察
アナライズのグラフを見てみると、V-Compの方は「80Hzから240Hz」付近と「2.8kHz」付近がグッと持ち上がっています。
SSLのバスコンプの方は高音部分のアタック感は良いのですが、低音が少し奥まった印象に感じました。
アナライズのグラフを見てみると、低域を抑えつつ高音が持ち上げられている感じで、平均的に圧縮されていると思いました。
ドラムバス
次は、ドラムバスに掛けてみたいと思います。
再生する順番は「バイパスの音」「V-Compを掛けた音」「SSLバスコンプを掛けた音」です。
結果の考察
私の印象では、どちらのバスコンプを掛けた場合もパンチ感が出て全体的なアタックが良くなった感じがしました。
どちらのコンプを使うかは好みだと思います。
アナライズ結果はこのような感じです。
マスタートラック
次は、マスタートラックに掛けてみて音を比較してみたいと思います。
結果の考察
マスタートラックに掛けてみた感じは、「V-Comp」の方は音が前に出つつもまとまりがある感じで、「SSLバスコンプ」の方は「V-Comp」より良い意味で少し荒っぽさを感じました。
「FETタイプ」と「VCAタイプ」の違いもありますので、楽曲の雰囲気によって使うコンプを変えてみると良いと思います。
アナライズ結果はこのような感じです。
まとめと次回予告
まとめ
「V-Comp」を使用することで、まとまり感やアナログ感を演出することが出来ますので、私もお気に入りのプラグインです。
また、マスタートラックではリミッターかマキシマイザーを使用するために「V-Comp」のリミッターは今まで使用したことがありません。
機会があれば研究してみたいと思います。
次回予告
次回の音楽堂では、バスコンプ特集の最後になります。
「Api 2500」をみていきたいと思います。
「SSL」のバスコンプと同じ「VCAタイプ」のコンプレッサーで、パンチ感が得られるのが特徴です。
また次回の動画も観て頂けたら嬉しいです。
次回のブログ記事↓
それでは、最後までご視聴ありがとうございました。
“Waves V-Compのレビューと使い方。【バスコンプレッサー/DTM/ビンテージ】” への1件のフィードバック