ご挨拶
こんにちは、ツキシマです。
今回は「Waves」の「SSL EV2 CHANNEL」のレビューを兼ねて、コンソール卓のチャンネルストリップをモデリングしたプラグインの使い方をみていきたいと思います。
動画の目次です。
チャンネルストリッププラグインとは、モジュール別にみる、ルーティング(音の流れ)、音源にかけてみる、最後にまとめと次回予告です。
それでは、チャンネルストリッププラグインの概要からみていきたいと思います。
チャンネルストリッププラグインとは
今回使用しながら見ていく「Waves SSL EV2 CHANNEL」は、有名な「Solid State Logic」社で1983年に開発されたコンソール卓の「SSL 4000E」のトラックにビルトインされているエフェクトをモデリングしたプラグインです。
元々「Waves」では「SSL E-Channel」というプラグインがリリースされており、私も一時期は多用していました。
新しいモデルと旧モデルとの大きな違いは、「マイクプリ」の追加と「EQタイプ」の選択、マスターセクションに「ステレオイメージ」を操作できるツマミとボタンが追加されたことです。(下画像参照)
一見すると狭いスペースにツマミが沢山装備されていて難しそうに見えますが、これ1つで「フィルター」「イコライザー」「コンプレッサー」「エキスパンダー/ゲート」などのエフェクトを掛けることが可能です。
次は、各モジュール別にみていきたいと思います。
モジュール別にみる
マイクプリ
左上にあるのがマイクプリです。
「LINE」ツマミと「MIC」ツマミでプラグインの入り口を通る音の大きさを調節します。
「アナログボタン」を押すと高周波の歪みや暖かみが付加されます。
このボタンはアナログ感を出すために使用するのですが、私のプラグインのバージョンが古い(V13)せいもあるのか、ノイズが発生してくれません。
入力のツマミをフルにしても発生しないようです。
ちなみに、旧モデルの「SSL E-Channel」はアナログボタンをオンにするとノイズが発生します。(下画像参照)
もし、ノイズを入れたくない場合はアナログボタンをオフにします。
そして「パッドスイッチ(-20dB)」や「位相反転のスイッチ」も用意されています。
フィルター
左下にフィルターのセクションがあります。
ハイパスフィルターとローパスフィルターです。
また、フィルターをイコライザーのセクションと切り離して使いたい場合は「SPLIT」のボタンを押します。
イコライザー
真ん中の列がイコライザーのセクションです。
まず、上部にあるボタンでイコライザーのタイプを選択できます。
ブラックノブとブラウンノブです。
切り替えると「LF」のノブの色が変わります。
ブラウンはEQの幅(Q幅)が広く、ブラックは狭いのが特徴です。
そして、上から「HF」「HMF」「LMF」「LF」の4つのバンドが装備されています。
「HF」と「LF」はシェルフかベルを選択できて「HMF」「LMF」はベルタイプに固定で「Q幅」の操作が可能です。
イコライザーの使い方のブログ記事↓
コンプレッサー
「レシオ」「スレッショルド」「リリース」「アタック」を操作して圧縮をかけることが出来ます。
コンプレッサーの使い方のブログ記事↓
エキスパンダー/ゲート
「レンジ」「スレッショルド」「リリース」「アタック」を操作します。
「GATE」というボタンでエキスパンダーかゲートを切り替えます。
エキスパンダーの使い方のブログ記事↓
アウトプット
一番右の列は、フェーダーを操作してアウトプットの音量をコントロールできます。
そして、インとアウトのボタンを押すことでメーターの表示を切り替えられます。
また、その下にはステレオ感を操作できるツマミとボタンが追加されています。
次は、ルーティングについてみていきたいとおもいます。
ルーティング(音の流れ)
このプラグインは「フィルター」「イコライザー」「ダイナミクス」モジュールの順番を組み替えることができます。
3パターンあります。
パターン1
このプラグインのデフォルトの状態の流れになります。
左の列から順番に「ダイナミクス」→「フィルター」→「イコライザー」と音が流れます。
いわゆる「コンプレッサー」→「イコライザー」という順番にエフェクトを掛けたい場合はこの流れでパラメーターを設定します。
パターン2
「EQ」→「コンプ」の順番にエフェクトを掛ける流れです。
ダイナミクスセクションの「Ch OUT」ボタンを押すとアウトプットセクションの前にダイナミクスが移動します。
プラグインの見た目的には変化はありません。
パターン3
「フィルター」を最初に掛けてから「コンプ」→「EQ」の流れにしたい場合はこのルーティーンにします。
フィルターセクションの「SPRIT」のボタンと、ダイナミクスセクションの「Ch OUT」を押すとこの流れになります。
Tips:サイドチェイン
このプラグインは「イコライザー」と「ダイナミクス」のセクションを使用して「サイドチェイン」を設定することも可能です。
イコライザーセクションの「DYN SCボタン」を押すと使用できます。
今回はサイドチェインの詳しい説明は割愛します。
サイドチェインに興味のある方は以前の動画をご覧ください。
ブログ記事↓
次はプラグインを実際に音源にかけてみたいと思います。
音源にかけてみる
動画内チャプター「05:45 音源にかけてみる」内のにてバイパスの音やプラグインを掛けた音を視聴することが出来ます。
ドラムフレーズ
まずは、プラグインを掛けない状態のドラムフレーズを、アナライズしながら再生します。
このアナライズ結果を元に、後からボーカルやギターなどが加わることを想定して、EQとコンプの設定を考えてみました。
プラグインのルーティーンは、パターン2の「フィルター」→「イコライザー」→「ダイナミクス」と流れるようにしています。
「フィルター」は、「17Hz」より下をローカット。
「イコライザー」は、「HF」で「5kHz」より上をシェルフモードで「1dB」ブースト。
「LMF」で「1kHz」を「2dB」カット。
一番音が飛び出ている「190Hz」付近を「LF」で「2dB」カットしています。
「コンプレッサー」は「6dB」くらいリダクション(圧縮)する設定にしました。
「エキスパンダー」もオンにして音がタイトになるようにしています。
再生した結果、このプラグインを通したことでアナログの雰囲気を感じるようになりました。
ただ、再生中にアナログのボタンによる高周波の歪みがプラスされているかどうかは今のところ定かではありません。
そのほかのアナライズ結果を見てみると、それぞれの場所で設定した通りに機能していると思います。
キックとスネア
先程のドラムフレーズの「キック」と「スネア」の単体のトラックを用意しました。
ミックスのスタートのつもりで、それぞれのトラックにパラメーターを設定してみました。
バイパスの音とプラグインを掛けた音は動画内で視聴できます。
次は、まとめと次回予告です。
まとめと次回予告
まとめ
リニューアルされたプラグインだけあって、イコライザーやダイナミクスの効き具合はとても良いと思います。
EQのタイプを変更できるのもお得感があります。
このプラグインをDAWのすべてのトラックに挿入して、擬似的に「SSL」のコンソール卓を再現するのも面白いと思います。
また、もしもレコーディングスタジオなどで実際の卓を操作する機会が出来た時に、このプラグインで操作方法を知っておけば、その時に知識が役に立つと思います。
そして、このプラグインで1つ「こうなると良かったな」と思うのは、EQカーブやコンプレッサーのグラフなどが表示できるモニター機能が付いてくれるとさらに操作しやすくなると思いました。
ただ、アナログ系のプラグインで、操作したツマミを見ながらEQカーブを自分でイメージするのも1つの醍醐味だと思います。
次回予告
次回の音楽堂では、今回レビューした「SSL EV2 CHANNEL」と旧モデルの「SSL E-Channel」を比較してみたいと思います。
また次回の動画も観て頂けたら嬉しいです。
次回のブログ記事↓
それでは、最後までご視聴ありがとうございました。