ご挨拶
こんにちは、ツキシマです。
今回はコンプレッサーの種類について、大きく4つに分けてみていきたいと思います。
いわゆるビンテージ系の実機をモデリングしたプラグインエフェクトで、それぞれに特色があります。
動画の目次です。
FETタイプ、OPTタイプ、真空管タイプ、VCAタイプ、最後にまとめと次回予告です。
それでは、FETタイプからみていきたいと思います。
FETタイプ
特徴
FET(トランジスタ)タイプのコンプレッサーで代表的なのは「Universal Audio 1176」です。
このタイプは、電圧で電流をコントロールするために音に対する反応が速く、他のタイプのコンプレッサーと比べて「アタック」と「リリース」が鋭いのが特徴です。
また、この機種をモデリングしたプラグインは各社たくさんあります。
操作方法
私がこのタイプでよく使うプラグインは「Waves」の「CLA-76」です。
まず、インターフェイスを見てみると「スレッショルド」のツマミがありません。
スレッショルドの設定は「INPUT」のツマミで行います。
音を鳴らしながらゲインリダクションメーターが「-5dB」くらいで動くように「INPUT」ツマミを右か左に動かします。
「INPUT」ツマミを右に回すと、スレッショルドを下げていくのと同じ効果があるのと音量が上がります。
「INPUT」ツマミを左に回すと、コンプが掛からなくなるのと同時に音が小さくなります。
その他のツマミ(ボタン)は、一般的なコンプレッサーと操作方法は同じですが、「アタック/リリース」の数値は「1」が最も遅く「7」が最も速い設定になりますので間違えないように覚えておく必要があります。
設定 | タイム |
---|---|
1 | 遅い(アタック:1ms/リリース:1000ms) |
7 | 速い(アタック:50μs/リリース:50μs) |
「OUTPUT」の調節は、メーター表示のインアウトを切り替えながらバイパス状態と同じくらいになるように調節します。
使用してみる
動画内チャプター「00:27 FETタイプ」内の「03:08」付近より使用した音を視聴できます。
また、前項目の「操作方法」も動画内「00:59」付近より音を聴きながら確認する事ができます。
次は、OPTタイプをみていきます。
OPTタイプ
特徴
OPT(光学式)タイプのコンプレッサーで代表的なのは「Teletronix LA-2A」です。
このタイプはオーディオ入力信号を電流に変換して電球やLEDを発光させて圧縮をコントロールします。
アタックの反応速度が遅く、リリースはさらに遅いので、ゆっくりとした掛かり方をします。
アンプ回路は真空管が用いられていて暖かい歪みも付加されます。
操作方法
ツマミが2つですので操作方法はシンプルです。
まずはゲインリダクションメーターが「-5dB」くらいで動くように、「ピークリダクション」ツマミを動かします。
そのあとに「ゲイン」で出力レベルを入力レベルと同じくらいの音量になるように調節します。
また、このプラグインもメーター表示を「インアウト」に切り替えられますので活用します。
そして、「コンプレッサー」と「リミッター」を選択することもできます。
コンプレッサーを選択した場合レシオが「3:1」。
リミッターを選択した場合レシオが「100:1」になります。
使用してみる
動画内チャプター「03:46 OPTタイプ」内の「05:49」付近より使用した音を視聴できます。
また、前項目の「操作方法」も動画内「04:22」付近より音を聴きながら確認する事ができます。
次は、真空管タイプをみていきます。
真空管タイプ
特徴
真空管タイプのコンプレッサーで代表的なのは「FAIRCHILD 670」です。
このタイプは真空管をリダクション回路やアンプ回路などに使用しています。
通すだけでもサチュレーション効果で独特の倍音付加があり、抜けの良い音になります。
操作方法
操作の特徴としては、アタックとリリースの組み合わせを「6パターン」の中から選択します。
次に、ゲインリダクションメーターを見ながら「スレッショルド」を調節します。
そして、「アウトプットゲイン」を合わせれば操作完了です。
また、このプラグインは、インプットとアウトプットのメーターがありませんので、「VUメーター」やトラックの「ピークメーター」などを見ます。
他に、リンクを解除して左右のチャンネルで独立してコンプの設定をすることも出来ます。
また、このプラグインはインターフェイスに「オンオフ」のスイッチがあります。
そして、その下にあるスイッチでノイズをオンにすると、コンプレッサーはオフの状態で真空管部分だけを通した音を再現することも出来ます。
使用してみる
動画内チャプター「06:21 真空管タイプ」内の「07:23」付近より使用した音を視聴できます。
次は、VCAタイプをみていきます。
VCAタイプ
特徴
VCAタイプのコンプレッサーで代表的なのは「dbx160」や「SSL バスコンプレッサー」などです。
アンプの音量を電圧で制御するICチップを使用したコンプレッサーで、反応速度が速いのと、音の変化が少なくクリーンにコンプレッションされます。
「SSL バスコンプレッサー」は、コンソールのバスコンプをプラグイン化したもので、音数の多いバストラックやマスタートラックなどに使用して、複数ある音にまとまりをもたらします。
また、「dbx160」は少し掛けただけでもだいぶ音が変わる感じです。
この音が好みであれば、ドラムトラックなどに掛ける場合は良いと思います。
操作方法
「SSL」のプラグインは、「ニー」が無い以外はコンプレッサーの基本的なパラメーターが並んでいます。
「dbx160」は「アタック/リリース/ニー」が無い感じです。
使用してみる
動画内チャプター「08:19 VCAタイプ」内の「09:29」付近より使用した音を視聴できます。
次はまとめと次回予告です。
まとめと次回予告
まとめ
今回は4種類のコンプレッサーの違いについてみてきました。
どれも特徴と得意分野があり、場面ごとに使い分けることでとても良い効果を発揮してくれます。
私もミックスの時は必ずお世話になっているビンテージプラグイン達です。
次回予告
次回の音楽堂では、私がコンプレッサーを使用するときに確認しているポイントや考えていることを一連の流れとして順番にまとめてみました。
私のやり方が正解とは限りませんが、コンプを使用するときの一つの参考にして頂ければ嬉しいです。
次回のブログ記事↓
そしてそのあとは、「ゲート」「エキスパンダー」「マルチバンドコンプ」「ダイナミックEQ」などをみていきたいと思います。
また次回の動画も観て頂けたら嬉しいです。
それでは、最後までご視聴ありがとうございました。
“【コンプレッサーの使い方その5】4種類のビンテージコンプ。~FET/OPT/真空管/VCA~【DTM初心者向け/ダイナミクス/Waves】” への2件のフィードバック